その記録、医師にちゃんと伝わるかたちに。
「大事だとは分かっているけれど、正しいやり方が分からない」「毎日念入りにやった方が安心なのでは?」――そんな声によくお応えします。厚生労働省研究班や日本乳癌学会が推奨する「ブレスト・アウェアネス」の考え方をもとに、タイミング・手順・注意すべきサインを図解つきでまとめました。
こんな不安、ありませんか?
- セルフチェック、大事だとは分かっているけれど、正しいやり方が分からない
- 毎日念入りにやった方が安心な気がしてしまう
- もしなにか気づいたら、どうすればいいのか分からない
セルフチェックは「自己触診」とは少しちがう
以前は「自己触診=しこりを探しに行く検診行為」というイメージで語られることが多くありました。しかし今、厚生労働省研究班や日本乳癌学会が推奨しているのは、もう少しやわらかい考え方の「ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)」です。
「しこりを探し出す」というより、「いつもの自分の状態を知っておき、いつもと違うことに気づけるようにする」というスタンス。気負わず、生活の延長線上で向き合えるのが特徴です。
見て、触れて、いつもの感触を知っておく
「いつもと違うかも」に敏感になる
次の検診を待たず、専門医療機関へ
セルフチェックと検診はセットで
ベストなタイミングは、生理終了後4〜7日
乳房は女性ホルモンの影響を受けて、生理周期のなかで張ったり、やわらかくなったりを繰り返します。生理前後は乳腺そのものが張って硬くなりやすく、正常な状態でも「しこりのように」感じてしまうことがあります。
そこでおすすめなのが、生理が終わってから4〜7日ごろ。乳房が最もやわらかく、変化に気づきやすいタイミングです。
セルフチェックの手順
手順はシンプルに2ステップだけ。「見る」→「触る」の順番で行います。お風呂で体を洗うときや、入浴後の保湿のついでに行うと習慣にしやすくなります。
見る(視診)
明るい場所で、上半身の衣服を脱ぎ、鏡の前に立ちます。次の3つの姿勢で、左右の乳房を見比べてみましょう。
- 乳房の形・大きさの左右差はないか
- 皮膚にくぼみ・引きつれ・赤み・ただれはないか
- 乳頭の向きや形に変化はないか
触る(触診)
視診が終わったら、次は触ってのチェックです。入浴中、石けんをつけた状態で行うと指がすべりやすく、変化に気づきやすくなります。指先で押し込むのではなく、指の腹をそろえて、やさしく滑らせるように触れましょう。
- 乳房全体(外側の上部はがんができやすい部位なので念入りに)
- 脇の下(指をそろえて差し入れ、リンパ節の腫れがないか)
- 鎖骨の下・乳房の下側(脂肪が厚く変化に気づきにくいので丁寧に)
こんな変化に気づいたら、医師へ
セルフチェックで気にかけたいサインは、次の4つです。
今までなかった硬さ・ふくらみを感じる
くぼみ・ひきつれ・赤み・オレンジの皮のような質感
ただれ、びらん、向きの変化
血の混じったような分泌物、片側だけの分泌物
見つかったしこりの8〜9割は良性と言われています。必要以上に不安になる必要はありません。ただし、「大丈夫だろう」と自己判断せず、次の検診を待たずに乳腺外科など専門の医療機関を受診することが大切です。
「毎日やらなくていい」理由
「不安だから」と、つい毎日触ってしまう方もいらっしゃいますが、実はこれはおすすめできません。毎日触っていると、その日ごとの微妙な体調変化(生理周期によるホルモンの波など)に敏感になりすぎて、かえって「いつもと違う」の基準があいまいになってしまうことがあるためです。
記録して、変化に気づく
セルフチェックでもっとも難しいのは、「先月と比べてどうだったか」を覚えておくことです。1ヶ月前の感触を正確に思い出せる人は、実はそう多くありません。
- 気づいた点を、その場でメモしておく
- 前回チェックした時期・気になった場所を振り返れるようにしておく
- 生理周期と合わせて記録し、体調による変化かどうかを判断しやすくする
🗺️ chobitoのボディマップトラッカー
セルフチェックで気になった場所をタップして記録するだけ。同じ部位への記録が続いた場合は自動でハイライトされ、「あれ、先月もこの辺りが気になったかも」という見逃しを防ぎます。月1回のリマインダーで、チェックのタイミングそのものも忘れずに済みます。
よくある質問
セルフチェックだけで乳がんは見つけられますか?
セルフチェックはあくまで「いつもの状態を知り、変化に気づくための習慣」です。手で触れて分かるしこりは、ある程度の大きさになってから見つかることが多く、それより小さいがんはマンモグラフィや超音波検査でないと発見が難しいことがあります。40歳になったら、セルフチェックに加えて2年に1回の乳がん検診も受けましょう。
20代・30代でもセルフチェックは必要ですか?
40歳未満への一律のマンモグラフィ検診は現時点では推奨されていませんが、20代・30代でも乳がんの発症はゼロではありません。年齢にかかわらず、日頃から自分の乳房の状態を意識する習慣を持っておくことが大切です。
しこりを見つけたら、すぐがんだと思うべきですか?
いいえ。見つかるしこりの多くは良性です。ただし、自己判断で様子を見るのではなく、必ず乳腺外科などの専門医療機関で診てもらいましょう。

コメント