法人のお客様へ

Uncategorized

健康経営における女性の健康課題 ― 「言えない」体調不良が生産性に与える影響と、企業にできること

「なんとなく体調が悪そうだけど、本人に聞きづらい」――多くの職場で、女性特有の体調不良は”見えない問題”として扱われがちです。しかし経済産業省の試算によれば、女性特有の健康課題による経済損失は、社会全体で年間約3.4兆円にのぼるとされています。本記事では、この課題を健康経営の観点から整理し、自社調査データもあわせて、企業が具体的に取り組める打ち手を紹介します。

なぜ「言えない」体調不良が経営課題になるのか

体調不良による労働損失というと、まず思い浮かぶのは欠勤(アブセンティーイズム)かもしれません。しかし実際に企業経営へより大きな影響を与えているのは、出勤はしているものの体調不良によってパフォーマンスが低下している状態、いわゆる「プレゼンティーイズム」だとされています。特に月経随伴症状や更年期症状は、休むほどではないが集中力や判断力が落ちる、という形で毎日の業務に静かに影響し続けます。

経済産業省は2024年2月、女性特有の健康課題による社会全体の経済損失を試算し、公表しました。月経随伴症・更年期症状・婦人科がん・不妊治療など、職域での対応が期待される項目を中心に算出されたもので、欠勤や離職だけでなく、出勤中のパフォーマンス低下による損失も含まれています。

3.4兆円

女性特有の健康課題による経済損失(社会全体・年間推計)
出所:経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」(2024年2月)

同資料では、女性従業員の約5割が、女性特有の健康課題によって職場で困った経験があると回答しています。それにもかかわらず、従業員の約7割が「十分な支援を受けられていない」と感じている一方、企業側の約3割は「何をすればいいかわからない」と回答しており、現場の実感と企業の対応のあいだに大きなギャップがあることも指摘されています。

数字で見る、女性従業員の「伝えられない」実態

この経営課題をより具体的に把握するため、chobitoでは20〜49歳の女性100名を対象に、生理・体調と医師とのコミュニケーションについて独自調査を実施しました(2026年8月実施)。

  • 35.1%直近1年で医師の診察を受けた人のうち、症状をうまく伝えられなかった経験がある人の割合
  • 56%医師への相談を「ためらった」経験がある人の割合
  • 59%記録を1枚のレポートにまとめて医師に見せられたら、伝えやすくなると回答した人の割合

特に注目すべきは、体調をアプリで記録している人ほど、実は医師への相談をためらっている割合が高かった、という結果です(記録アプリ利用者の81%が相談をためらった経験ありと回答)。「記録さえしていれば大丈夫」ではなく、記録が”伝わる形”になっているかどうかが、コミュニケーションの質を左右していることがうかがえます。

「体調管理をしている社員だから問題ない」という前提は、必ずしも正しくありません。記録の有無ではなく、記録が医師や産業医に「伝わる形」になっているかどうかが分かれ目になっています。

放置すると何が起きるか

プレゼンティーイズムによる生産性低下

体調不良を我慢しながらの勤務が常態化すると、本人の集中力・判断力の低下だけでなく、周囲のフォローによるチーム全体の負荷増加にもつながります。前述の通り、この種の損失は欠勤よりも見えにくく、対策が後回しにされやすいという特徴があります。

相談できないことによる重症化・長期離脱のリスク

「診察時間が短くて言い出せない」「何を伝えればいいか整理できていない」といった理由で相談が先延ばしになると、症状が進行してから受診することになり、結果としてより長期の休職・離脱につながるケースもあります。早期の気づきと相談を後押しする仕組みが求められています。

女性人材の定着・活躍推進への影響

体調面のサポートが不十分な職場は、女性従業員にとって働き続けにくい環境として認識されやすく、人材の定着や活躍推進の妨げになりえます。健康経営への取り組みは、採用力やエンゲージメントの観点からも無視できないテーマになっています。

健康経営の打ち手としてのフェムテック

なぜフェムテックが有効なのか

フェムテック(Female Technology)は、生理・妊娠・更年期など女性特有の健康課題をテクノロジーで支援する分野の総称です。健康経営との相性がよいとされる理由は、「気づく」「相談する」という、これまで個人の努力に委ねられていたプロセスを、記録や可視化の力でサポートできる点にあります。今回の調査で明らかになった「記録はしているが、伝わる形になっていない」という課題は、まさにフェムテックが解決しやすい領域です。

導入のハードルとその解消

一方で、フェムテック導入を検討する企業からは「健康データを会社が把握することへの抵抗感が従業員側にあるのでは」「導入・運用の負荷が心配」といった声もよく聞かれます。chobitoは、この2つの懸念に対応する設計になっています。

  • 健康データは従業員本人の端末内で完結:セルフチェックや生活ログの記録内容は、会社側に共有されることはありません。
  • 導入はリンクを配布するだけ:アプリのインストールは不要(ブラウザで動作するPWA)で、対象人数分の全社導入をすぐに始められます。
  • 「伝わる形」への変換を自動化:日々の記録を、医師記入欄つきの統合健康レポートとして自動でまとめ、通院時にそのまま活用できます。

健康経営優良法人の認定要件には女性の健康保持・増進に関する取り組みが含まれることも多く、こうした施策の一つとして、フェムテックの導入を位置づける企業も増えています。

導入のご相談・資料請求はこちらから

本記事で紹介した調査データをまとめた法人向け1枚サマリー資料もご用意しています。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

法人のお客様へ(詳しく見る)

まとめ ― 小さな一歩から始める健康経営

女性特有の健康課題は、我慢や気合いの問題ではなく、経済産業省の試算にもあるとおり、社会全体で年間3.4兆円という規模の経営課題です。そして今回のchobito自主調査からは、「記録していても、伝わっていない」という、これまであまり語られてこなかった実態も見えてきました。まずは自社の従業員が「言えている」のか、それとも「言えずに我慢している」のか、実態を把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。

  • 経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」(2024年2月)
  • 経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」(2019年3月)
  • chobito自主調査「生理・体調の記録と医師とのコミュニケーションに関する調査」(2026年8月実施/調査方法:インターネット調査/調査対象:20〜49歳女性/有効回答数100件)
w5w10

一人の女性エンジニアとして
「chobito」を企画・開発しています。
乳がんセルフチェックと生活ログを、医師にちゃんと伝わる「統合健康レポート」に変える仕組みを、日々アップデート中。
産婦人科専門医・内科専門医の協力も得ながら、使う人の声にひとつひとつ向き合っています。

w5w10をフォローする
Uncategorized

コメント