フェムテック導入で使える補助金・支援制度まとめ【企業担当者向け】
補助金ありきで動くのではなく、まず自社の課題整理から。国と自治体、それぞれの制度の探し方を整理しました。
「フェムテックを福利厚生として導入したいけれど、コストがネックになっている」「補助金が使えると聞いたが、どこを見ればいいか分からない」——法人のお客様からのお問い合わせで、とくに多いのがこの補助金・助成金に関するご相談です。
結論から言うと、フェムテック関連の補助金・助成金は、国が一括で運営する分かりやすい制度がひとつあるわけではなく、国の実証事業型の補助金と、都道府県・市区町村ごとの女性活躍推進関連の補助金が、それぞれ独立して存在しているのが実情です。本記事では、その全体像と、代表的な制度の探し方を整理します。
🔍 まず整理補助金には大きく2つの種類がある
フェムテック関連の補助金を調べると、しばしば「開発支援」と「導入支援」の制度が混在して出てきて分かりにくくなります。まずこの違いを整理しておきましょう。
フェムテック製品・サービスを開発・提供する事業者向けの補助金です。たとえば東京都が実施している「女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業」は、都内の中小企業がフェムテック関連の製品・サービスを新規開発したり、既存製品を改良・普及させたりする取り組みを支援する制度で、対象は主にフェムテック製品を作る側の企業です。
企業が、自社の福利厚生としてフェムテックサービスを導入する側を支援する制度です。chobitoのようなサービスを従業員向けに導入する法人担当者が探すべきなのは、こちらの制度になります。
以下では、②の「導入・活用支援型」を中心に紹介します。
🇯🇵 国の制度国レベルの制度:経済産業省の実証事業型補助金
経済産業省は2021年度から2025年度までの5年間、「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」を実施してきました。フェムテック企業と、それを導入する企業・自治体・医療機関などが連携してコンソーシアムを組み、実証事業として製品・サービスを活用する際の費用の一部を補助する仕組みでした。
| 対象 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 大企業 | 事業費の1/2以内 | 800万円 |
| 中小企業等 | 事業費の2/3以内 | 1,000万円 |
この5年間の実証事業の集大成として公表されたのが、本サイトの別記事でも紹介している「フェムテック導入ガイダンス」(2026年5月公表)です。ガイダンス自体がこの実証事業の「まとめ」という位置づけであることから、2026年度以降にこの制度がどのような形で継続されるかは、本記事執筆時点では確定的な情報がありません。制度の要件上、単独の企業が申請するのではなく、フェムテック企業側との連携が前提になる点もあわせて、最新の公募状況は経済産業省の公式サイトで確認することをおすすめします。
都道府県・市区町村レベルの制度:地域ごとの実例
国の制度に比べて見落とされがちですが、女性活躍推進や働き方改革を目的とした自治体独自の補助金・助成金は、複数の地域で実施されています。ここでは実例として、いくつかの制度の内容をご紹介します(制度内容・募集期間は年度ごとに変わるため、あくまで参考例としてご覧ください)。
県内に事業所を持つ企業・個人事業主・団体を対象に、働き方改革や女性活躍を推進する取り組みにかかる費用を補助する制度です。ソフト面の取り組みに対する補助上限額が設けられ、対象経費の2分の1が補助されます。予算に達し次第、募集が終了する仕組みのため、早めの情報収集が重要です。
女性活躍の推進に取り組む県内企業を対象とした支援制度です。
事業所内に女性専用のトイレや更衣室を新設・改修する際の費用の一部を助成する制度です。フェムテックサービスそのものの導入補助ではありませんが、女性が働きやすい職場環境整備という同じ文脈にある制度として押さえておくとよいでしょう。
このように、自治体ごとに制度の名称も対象経費もさまざまです。自社が拠点を置く都道府県・市区町村の商工労働部局のWebサイトを確認することが、もっとも確実な情報収集方法になります。
🎁 間接的なメリット補助金以外にも目を向けたい「間接的なメリット」
直接的な補助金だけでなく、フェムテック導入や女性の健康課題対応への取り組みが、健康経営優良法人の認定取得につながることで得られる間接的なメリットも見逃せません。認定を取得することで、求職者や取引先、金融機関からの評価向上、自治体の公共調達における加点など、対外的な信頼につながるケースがあります(健康経営優良法人の認定基準における女性の健康課題対応の位置づけについては、本サイトの別記事で詳しく解説しています)。
また、厚生労働省が実施する「均等・両立推進企業表彰」など、女性の活躍推進やワークライフバランスの取り組みを評価する周辺の表彰制度も存在します。補助金という直接的な資金支援ではありませんが、採用活動や企業ブランディングの観点から、あわせて情報収集しておく価値があります。
🧭 実務ポイント制度を探す・申請する際の実務ポイント
補助金・助成金は情報が分散しているため、次のような情報源を定期的にチェックする体制を作っておくことをおすすめします。
- 中小企業向け支援情報サイト「J-Net21」の支援情報ヘッドライン
- 自社が拠点を置く都道府県・市区町村の商工労働部局のWebサイト
- 経済産業省「ACTION!健康経営」ポータルサイト
申請にあたっては、次の点にも注意しましょう。
- 対象経費の範囲は制度ごとに異なります(ソフトウェアの利用料は対象だが、月額の継続利用料は対象外、といったケースもあります)。募集要項の「対象経費」欄を必ず確認してください。
- 多くの補助金は、費用を立て替えたうえで後日精算する「精算払い」の形式です。資金計画に組み込む際は、この点も考慮しておく必要があります。
- 他の補助金・助成金との併用可否は制度ごとに異なるため、複数の制度を組み合わせたい場合は、事前に各制度の窓口へ確認することをおすすめします。
まとめ:補助金ありきではなく、まず自社の課題整理から
補助金・助成金は、フェムテック導入のハードルを下げてくれる心強い制度ですが、「使えるかどうか」を最初の判断基準にしてしまうと、本来解決すべき自社の課題が置き去りになってしまうこともあります。まずは自社の従業員がどのような健康課題を抱えているかを把握したうえで、必要な施策を検討し、その実行段階で活用できる補助金がないかを探す、という順序を意識するとよいでしょう。
chobitoでは、法人のお客様からのご相談に応じて、自治体の支援制度に関する情報提供も行っています。導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
導入・補助金についてのご相談は、こちらから。
よくある質問
フェムテックサービスの月額利用料そのものが補助金の対象になりますか?
制度によって異なります。ソフトウェアの初期導入費用は対象でも、継続的な月額利用料は対象外とされるケースもあるため、各制度の「対象経費」欄を必ず確認してください。
国の補助金がなくても、フェムテックは導入できますか?
はい。chobitoのように、無料プランから始められ、インストール不要でリンクを配布するだけで導入できるサービスもあります。補助金の有無にかかわらず、小規模に試験導入を始めることは可能です。
補助金の情報は誰に相談すればよいですか?
自社が拠点を置く都道府県・市区町村の商工労働部局が一次的な相談窓口になります。顧問の社会保険労務士や税理士がいる場合は、あわせて相談すると情報収集がスムーズです。
- 経済産業省「企業・自治体等向け 女性の健康課題の解決に向けたフェムテック導入ガイダンス」(2026年5月)
- 富山県「働き方改革・女性活躍サポート事業費補助金」案内資料
- 東京都中小企業振興公社「女性活躍のためのフェムテック開発支援・普及促進事業」


コメント